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タイムイズ



愛おしい過去にもう戻れないと思った時、身震いする程寂しくなることはありませんか。


菅野です。

時間の流れというものはとても早いですよね。もう4月です。また暑い夏が訪れようとしております。暖冬と言われ雪も少なく、これから本当に、季節はどう変わっていくのだろうと気にかけていましたが、3月の終わりになごり雪がちゃんと降り、季節もまだ、情緒をわきまえているんだなと安心した次第でしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。




少しほど前に、僕が昔勤めていた会社が倒産してしまったと連絡がありました。大変だろうなとは思っていましたが、急にきた知らせに驚き、日が増すほどに、なんだか動揺も隠せませんでした。

いろんな情景が思い出されます。初めて行った現場という職場。初めて会う職人の人達。倉庫での風景や、暇でドライブしたこと。6年しかいませんでしたが、いろんなことが記憶に残っています。当時初めて会った師匠が、今の僕より若い頃で。辞めても尚付き合いがあったので、実に25年以上の時間が流れていたわけです。あまりにも長い年月に、つい先日一つの区切りがついたわけで。これで動揺しないなんて考えられませんよね。


もう行っても誰も居ない。とか、震災の時のように、当たり前にあったものがいずれ幻のような存在になった時というのは、心の中にあるとか、そういったセンチメンタルな感情とはまた違う情が働いていて、冒頭にも記したように、なんだか身震いするほど寂しい気持ちが襲ってきます。そして同時にそこはかとない恐れも共に。


最後まで勤めていた僕の師匠が退職を余儀なくされ、今後のことを思うと、僕がこれまで培ってきたものを発展させ、少しでも師匠の仕事、そしてお金を産んであげられたらなと、真剣に考えています。それが、僕が教えてもらった技術への恩返しになると思っているので。むしろ僕もそれを励みに、岩手凱旋進出に弾みをつけたいと思っています。


岩手の沿岸部は、かなり仕事が厳しい状況になっているようです。

理由は、言わずもがな「復興の後」です。奥尻島然り、調べ上げればわかってしまうこの事態に、残念ながら東日本大震災に遭われた地域も、測ったかのように陥ってしまったようです。なんでなんだろう。時間も踏まえて、じっくり考えてみると、そこには田舎特有の時間軸が、大震災が来る前はあったのだと思います。絶妙な経済のバランスが、平成中期の頃まではありました。絶妙なシーソーのようなバランスで、それぞれの経済が回っていたあの頃。それを津波というものが一気に壊し、攫っていったのです。何十年とかけて生まれるはずだった経済が、たった10年に凝縮されてしまったのです。ある人々は歓喜し、遠方より押し寄り、本当はその土地に落ちるはずだった経済もキャパオーバーの波に救われ、嗅覚のいい人たちに持って行かれたことでしょう。はからずも沸いた利得も、文化という波に押され、消費し、買い直した矢先に、何十年もかかるはずだった経済が10年で終わってしまったのです。多くの家が新しくなり、リフォームのスパンは崩壊。工務店の繋ぎ事業であろうリフォームも限られれば、限られた新築も期待できず、工務店は次の選択を必要とされるわけです。


どう動くか。




簡単ではありません。今まで地元でしか仕事をしていなかった大工さん。しかも多くはベテランの高齢者の職人さん方に、「明日から仙台に引っ越してくれ」なんて言ったところで誰が「うん」というでしょうか。組織が大きければ大きいほど、そのリスクは大きいでしょう。かといって観光地でもなかったような地域が震災後に急に観光地のような立ち振る舞いに切り替えたところで、年間を見据えた経済効果を望むには商材が薄すぎて、地元の人達に潤いを与えるような経済効果は見込めません。それはあくまで10年も前の話。世界は今、至る所が惨事に見舞われ、僕らの地域も他の地域のためにお返ししていかなければならないし、震災とは切り離した自立心が大きくないと、経済そのものの低下に足止めさせることは難しい。


震災が無いことが当たり前なのか、震災があることが当たり前なのか、もはやどちらとも言い切れない時代になりました。ことの発端がいつなのかはわかりませんが、なんだか最近は、あまりにもいろんなことが早い気がします。これから予想される震災、戦争、天変地異が、きっと現実のものとなってやがて訪れるのだろうなと思うと、なんだか心が落ち着きませんが、どうやら私たちは、そんな時代のタイミングに生を成したんだと思います。それならせめて身近なところだけでも、1日でも多く平和でいてほしいと、切に思うところであります。


追伸

2024年の双子座は、とても運気がいいと、年がわりからずっと言われております。笑

実は僕の今年のモチベーションは、そこに頼り切っております。


季節の変わり目。

今年度が皆さんにとって良いものでありますように。

一緒にこの一年を乗り切りましょう。


菅野

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